OD対策10選

起立性調節障害

起立性調節障害(OD)の改善に向けて取り組めると良いことを10個ピックアップしました。

全部やる必要はありません。できそうなところから少しずつ試してみてください。

ここで紹介する情報は以下の文献やサイトを参考にしています。

起立性調節障害がよくわかる本 朝起きられない子どもの病気

田中英高 監修(2013)講談社

(1)起立性調節障害(OD)

一般社団法人 小児心身医学会

水分をとる!

対策その①はズバリ「水分摂取」です。

ODのある子はなぜかあまり水分を取りたがりません。ほとんど全員そうです。

理由を聞いても「よくわからない」と言われることが多いです。そもそも関心がないのかもしれません。「喉があまり乾かないんだよ」と言う子もいました。

普段から子どもがどれくらい水分をとっているか(あるいはどれだけとっていないか)を確認しましょう。

推奨される摂取量は一日1.5〜2.0リットルです。つまり500mlペットボトルなら3〜4本分飲まないと足りません。

水分摂取量が少ないと、循環血漿流量(じゅんかんけっしょうりゅうりょう)が低下して、低血圧を引き起こします。

とにかく水分超大事!

ただし、甘いものや炭酸系を飲みすぎると虫歯など別の問題につながりますので、水やお茶、スポーツドリンク等にしましょう。

いきなり摂取量を増やすのは難しいので少しずつ増やせると良いです。

塩分を取る

塩気も気持ち多めに取りましょう。推奨量は一日10〜12gです。

ちなみにラーメン一杯が4−6gくらいです。

塩分は水分を体内に保持するために必要です。

毎日の食事で意識的に取ってもらいましょう。

起きる時間を決める

朝だるいからといって昼過ぎや夕方まで寝ていてはいけません。眠りにつく時間は起きた時間で決まります。

だからといって急に6時に起きようとしてもそれは難しいです。

また、起きられないからと言って徹夜することも心身への負担が大きいのでお勧めしません。テストや行事でどうしてもの時は仕方がないかもしれませんが、あくまで一時しのぎと捉えましょう。

はじめのうちはお昼近くでも良いので、「毎日少なくとも○時までには起き上がってリビングに行く」という時間を決めましょう。

起床時刻の目安は「ほぼ毎日その時間なら起きてこられる時間」です。

達成できる目標を立てましょう。

遅めでも良いのでまずは日々の生活リズムを安定させて、それから徐々に起きる時間を前倒しさせていく、という方法が個人的には一番成功しやすいと感じます。

日光を浴びる

毎朝、日光を浴びましょう。ベッドから出られない場合でも朝になったら寝室のカーテンを開けてもらいましょう。

なるべく朝のうち、それも起きてすぐに外に出られれば理想的です。5分も浴びることができれば十分です。朝が無理ならせめて昼、昼が難しければ午後でも良いので、とにかく一日一度は外に出て日光浴をしましょう。

でも夜になってから明るい光を浴びるのはダメです。

なるべく座る

だるいからといって一日布団の中で過ごすのは良くありません。体を横にした姿勢で長時間いると、立ったり座ったりが余計に難しくなってしまうからです。

テレビをぼーっと見るだけでも良いので、横になって見るのではなく、なるべく座って見ましょう。

座った姿勢でいることはODのある子にとっては大切なリハビリなんだと思ってください。

軽い作業をする

日中は何かしましょう。親御さんはつい「じゃあ勉強を…!」と言いたくなりますが、勉強は最終段階です(元々勉強好きの子は別ですが)。絵を描く、料理を作る、本を読むなど、子どもが好きなことが良いでしょう。

ただし、ゲームやスマホはやり過ぎないよう家庭のルールの範囲内にしましょう。

学校に顔を出せれば、出席が取れて運動もできて一石二鳥です。

軽い運動をする

30分くらいの散歩が良いでしょう。その他に、自宅の階段を昇り降りしたり、ストレッチやヨガなど、あまり激しくない運動がお勧めです。

親の運動不足解消も兼ねて、ぜひ親子一緒にどうぞ!

真夏など暑い時期は日向(ひなた)に長時間いないように注意しましょう。

運動が難しい人は、足をクロスさせたり、その場で足踏みするだけでもOKです。

食事は3食食べることを目標にする

朝どうしても起きられないと、食事が昼と夜の2食あるいは、時間が大幅にズレる、ダラダラ喰いになるなど、食生活も乱れてしまうことがあります。また、たとえ午前中に起きていてもOD症状のせいで食欲がでなくて食べられない人もいます。

食事もまた生活リズムを整える上では欠かせない要素です。「朝・昼・晩」3食を適切な時間に取れることは立派な目標となります。

10時より前に起きられるようなら、軽いものや水分だけでも良いので何かしら口にして「朝ごはん」にしましょう。

夜は18〜20時の間にはなるべく済ませて、内容も脂っこいものなど消化に悪いものは避けましょう。

スマホやゲームは使い方を考える

スマホやゲームは良いものです。筆者も大好きです。

本来なら「子どもの自主性に任せて…」と言いたいところですが…。

やはり、夜にゲームをすればいつまでも眠気は来ず、友人とのLINEに付き合ってしまい、ついつい長時間になってしまいます。

ODのない子は多少の無理をしても自律神経が調整してくれるので良いのですが、ODのある子の場合はそううまくいきません。遅くまでスマホやゲームをした翌朝は起床が困難となり…生活リズムは整わず、負のループから抜け出せなくなる場合が残念ながら多いです。

ルールを決めましょう。「スマホ・ゲームは22時まで」「寝室には持ち込まない」「学校を休んだ日は使えない」など、できるだけ明確で具体的な方が良いです。親の一方的な考えを押し付けるのではなく、双方が納得する形になるまで丁寧に話し合って決めましょう。

また、「親がお手本を見せる」ことは非常に有効な方法です。説得力がかなり変わってきますので、親御さんもグッと堪えて、一緒に頑張ってみてください。

なんだかんだで子どもは親のことをよく見習っていますよ。

夜のルーティンを決める

人の体内時計は25時間周期といわれています。でも一日は24時間です。そうつまり、放っておけばどんどん起きる時間はズレていきます。でもほとんどの人がそうならないのは、自律神経が調整してくれているからです。

しかしODのある子はその体内時計が27〜30時間になっている、とも報告されているようです。これを調整するのはなかなか難しいことです。だからこそ、夜は眠くなるような環境づくりを意識的に行わないといけません。

少なくとも23時までには床に入りましょう。どうしてもそれが難しい場合は、いつもより30分早く寝るようにしましょう。

「お風呂に○時に入って、△時には寝室に行って、お気に入りのリラックスする音楽を聴きながらベッドでストレッチをしてベッドに入る」といった感じで、スムーズに眠りにつけるよう自分なりの夜のルーティンを決めましょう。

同じことを繰り返す(ルーティン)によって体が自然と眠りにつけるようになります。

まとめ

以上、OD対策10選でした。

冒頭でもお伝えした通り、できそうなところから少しずつチャレンジしてみてくださいね〜。

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