「不登校は病気なんですか?」「病気なら治りますか?」「不登校は甘えなんでしょうか?」「厳しくした方がいいですか?」といった疑問は、相談にくる親御さんからはよく聞かれます。我が子が急に学校に行きたがらなくなれば、多くの親は動揺し、戸惑います。
この記事ではその辺りを少し整理して、親としてどのように考えたらいいか解説します。
不登校は病気ではありません!
不登校は安易に甘えと考えるのは要注意!
不登校は病気ではない
不登校は状態を指す言葉であって、不登校そのものは病気や障害ではありません。
しかし、不登校の中には、頭痛や腹痛といった身体的不調を伴ったり、起立性調節障害や不安障害、発達障害といった別の病気が背景にある場合があります。
そうした不登校にくっついてくる様々な問題に対しては、医療的なケアや心理カウンセリングが有効です。
子どもが体調不良を訴える時は「仮病だろう」などと軽視せず、病院に連れていきましょう。
また、もし不登校のきっかけがいじめの場合は、なおさら病院にかかることを強くお勧めします。体の怪我にしろ精神的な不調にしろ、病院で診てもらうことは客観的な証拠になるからです。「大袈裟にしたくない」とか「恥ずかしい」と思うかもしれませんが、いじめ対策において「証拠」は一つでも多く用意することが大切ですので、勇気を出して受診することをお勧めします。
- 不登校は病気ではない
- 体調不良を訴えるなら病院へ連れて行こう
- いじめが疑われる時も証拠にするため病院へ行こう
不登校は甘えと安易に考えない
「親に甘えているだけ」「楽な状況に甘んじているだけ」「親が甘やかしているから学校に行かないんだ」だから不登校は甘えなんだ、という人がいます。ネットやSNSなんかをみるとよく書いてありますので、「そうかも…」と思って落ち込むかもしれません。
でもこの考え方の真意は、そのように他者にレッテルを貼ることにより「私はそうではない、自分より下の人間がいる、私はマシな人間なんだ」とその人自身が安心したいだけなのではないかと思います。「うつ病は甘え」などと言うのも同じ理屈でしょう。
気にするだけ損なので「あ~この人は”甘え教”の信者さんなんだな」くらいに思って放っておきましょう。
でもやっぱり甘えなんじゃない?
はい、その通り。甘えることが学校に行かない原因になることもあります。
あれ? じゃあやっぱり不登校は甘えじゃん!
いえいえ、不登校=甘えと断言することと、甘えが不登校の原因の一つと考えることは全く違います。
普段は仕事や家事で忙しいお母さんが、学校を休んだら心配して一緒にいてくれて嬉しい!
だから学校なんか行かないよ!
これは甘えによる不登校の一例です。
では次の場合はどうでしょう?
学校で悪口を言われたり叩かれて辛いよ。だからお母さんのそばにいたいよ!
この場合、原因はいじめです。いじめられて傷ついた状態から回復するために甘えているわけです。でもこの場合も表面的には子どもが親に甘えているだけにしか見えないかもしれません。
なぜなら、残念なことにほとんどの子どもはこんなにはっきりと学校に行かない(行けない)理由を教えてくれませんから!
どちらも一見すると親に甘えているだけにしか見えませんので、甘やかしたらダメだ! とにかく学校に連れて行こう! という対応になりがちです。
最初の例ならそれでもうまくいくかもしれませんが、2つ目の例のような場合は高確率で色々こじれます。
ですから、子どもがはっきりした理由なく学校に行かない場合、安易に甘えと決めつけるのやめた方が良いです。
- 関係ない人の言う「不登校は甘え」は気にしない
- 不登校の原因は複数あり、甘えはそのうちの1つ
- 安易に決めつけない
まとめ
不登校は病気ではありませんが、病気が関わる場合がありますので、子どもが不調を訴えた時やいじめが疑われるときは受診しましょう。
「不登校は甘え」と安易に決めつけるのは危険です。冷静に見極める姿勢が親には求められます。
その見極めかたについてはまた別記事で紹介します。
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