この記事では主にODの子を対象として、再登校するに当たってそのコツ・進め方についてまとめてみました。
再登校の目安
- (疲労状態だった人は休養がしっかりできて)体調はまずまず
- 日中起きていられる
- 休日でも良いので外出ができている
上記3点がひとまず再登校を考える目安となります。
体調はまずまず
まず、しっかり休養をとり、お薬を飲むことや水分摂取等に取り組み、ある程度の体調になっていることです。あまりに辛い時に無理をしても悪循環に陥るだけですので、まずは体調優先で整えていきましょう。
でも、完全な回復を目指す必要はありません。というか、それを目指しているといつまで経っても学校に行けないという事態に陥る可能性があります。ですので、ここは「まずまず」の体調、たとえば「スッキリ良い調子とはいえないけど、まぁ何とか起きていられるかな」ぐらいが目安となります。
日中起きていられる
そうして体調を整えて、日中起きた状態で家の中で過ごせていることが二つ目の目安です。もちろん、本を読んだり、簡単な家事を手伝ったりといった軽い作業ができていればなお良いでしょう。
またこの日中というのは別に朝から起きている必要はありません。たとえお昼過ぎに起きたとしても、学校が開いている時間帯(先生たちが学校にいる間)に起きていられれば登校できる目安となります。
休日でも良いので外出できている
外出できることが3つ目の目安です。でも、学校のある平日日中は近所の目などが気になってなかなか外出は難しいかもしれません。そうであれば、少し遠方の場所に出かける、放課後の時間になってから出かける、あるいは休日に出かけるでもOKです。
ポイントは、どこに行くかやそこで何をするかではありません。家以外の場所に行って帰ってくる、という一連の流れ(「型」)ができているかどうかです。
外出するにはまず起きて、着替えや支度をしないといけません。学校でもこれは同じことです。そして、家を出たら何らかの手段で目的地について、一定時間を過ごしてまた帰ってきます。これもまた学校だろうがイオンだろうがやっていることは同じです。
つまり、外出の型さえできてしまえば、学校に行くハードルをぐんと下げることができます。
まとめると、
- (疲労状態だった人は休養がしっかりできて)体調はまずまず
- 日中起きていられる
- 休日でも良いので外出ができている
この3点ができていれば、とりあえず学校に行ける状態にはなっています。
逆に重要度が低いものを挙げると、
- 早起きすること
- 万全の体調にすること
- 全ての授業に参加すること
- 勉強が追いついていること
これらはできなくても全然OKです。
というかこれ、できますか? もしできていたら登校で悩む必要ないですよね。もちろんできるに越したことはありませんが、いずれも達成のハードルがかなり高いものなので、これを目指すと一向に再登校できないという事態に陥りがちです。
特に、こだわりが強かったり、完璧主義の傾向がある子どもや親御さんは注意しましょう。
段階的に登校する
いきなりみんなと同じように朝から登校するのはほぼ無理です!
段階的に、スモールステップで再登校を進めていくことをお勧めします。
スムーズな再登校の流れとしては、
- 放課後登校
- 相談室・保健室登校
- 午後の授業に参加
- 遅めの午前中
- 1時間目から
といった順番で少しずつ登校時間を早めていく方法がおすすめです。
これ以外には、いく日数や頻度を少しずつ増やす方法(月2回→週1回→週2回→…)もアリでしょう。
相談室や保健室は学校によって利用ルールが違っていたりしますので、在籍校の利用方法は確認しておきましょう。例えば、相談室は午前中しか開いていないなんてこともあります。
いずれにせよ、子どもがある程度安定してこなせるペースで行く、ということが肝心です。
注意点
再登校するに当たっての注意点がいくつかあります
学校が本当に安全か確認する
一番気をつけなくてはいけないのは、果たして学校が本当に安全な場かどうかです。
子ども本人がいじめられていないことは当然のこと、他の子たちの間でもいじめはないか、いじめには至らずとも特定の子がいじられていたり、クラス全体の雰囲気が落ち着かない、といったことがないかどうか、クラスの状況をしっかり確認しましょう。
同じクラスのママ友などから情報を仕入れるのももちろん悪くはありませんが、できれば親御さんが自分の目で直接確認することをお勧めします。学校に見学をお願いすれば断られることはまずありません。もしここで断られたらむしろ怪しい…と思って良いくらいです。
クラスの授業風景や休み時間の様子をよ〜く見てきましょう。そこで肌で感じる「このクラスは居心地良さそう/悪そう」は案外間違っていないものです。
本人の準備が整っていて、学校の受け入れも良さそうであれば、本人も交えて先生たちと再登校の進め方について相談できると良いでしょう。
親の送迎は必要か
むしろぜひしてください。親御さんの送迎があった方が再登校は格段に成功しやすいです。
しばらく顔を出していない場所に久しぶりに行くのって大人でも緊張したりナーバスになりませんか? 私はなります。どう思われるかなと内心ドキドキです。
それを克服する方法は、直接そこに行くあるいはそれに近いことをする、しかありません。
でも本人のやる気や意志だけでそれを行うのは困難です。
前日の夜は行く気満々なのに当日になると布団から出られない…
そういう子は少なくありません。それが普通です。
ですから、ここは親御さんの助けが必要な部分です。
親御さんが少し背中を押してあげて、「できたね」「行ってみたら案外呆気なかったね」って成功体験を積んでもらい、自信をつけてもらうことが大切です。
成功してナンボですから、段階的に、スモールステップに進めることで成功率を上げることがカギなのです。
ゴールは人それぞれ
必ずしも教室に戻ることだけがゴールや成功ではありません。
親としては教室で過ごすことが当然と思うかもしれませんが、子どもは思うようにいかない体と付き合いながら登校します。
順調に行けたように見えていても、実は無理をしていて再び行けなくなったり、天気のせいでどうしても無理! なんていう時もあります。
あまり一喜一憂せず、「この子は今自分の体との付き合い方を学んでいる最中なんだ」と捉えて、目先の結果だけを求めないようにしましょう。
まとめ
今回は再登校の進め方について解説しました。もちろんこれが絶対の正解ではありませんが、一つの参考になれば幸いです。
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